平安堂カタログ

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3筆の使い方と使用上の注意◇◇◇筆の使い方◇◇◇◆準備段階(ご購入時から使い始めるまで)かたほさきふのり固め筆(穂先を固めてある筆)は、使う部分をおろし(ほぐし)〔右図参照〕、布海苔を落としておきます。毛を....

3筆の使い方と使用上の注意◇◇◇筆の使い方◇◇◇◆準備段階(ご購入時から使い始めるまで)かたほさきふのり固め筆(穂先を固めてある筆)は、使う部分をおろし(ほぐし)〔右図参照〕、布海苔を落としておきます。毛をおろす時、始めての方は不安になりますが、穂先や穂の根元はしっかり作ってありますので、以下の方法でゆっくり進めていけば大丈夫です。おおふで大筆は、1のように持ち、次に2のように穂首の根元を親指と人指し指でしっかり抑え(図では左手)、もう一方の親指と人指し指で、2・3・4と先端から少しずつ好みけんもうようもうの部分までほぐします(図では全部)。5は兼毛(上2本)羊毛(下2本)のほぐす前と後の状態です。ほぐした部分に布海苔がついていますので、水で洗い流して下さい。どうしても不安な方は、水かぬるま湯で布海苔をとかしながらほぐし、必要な部分まできたら水分をふきんや紙で吸い取って下さい。小筆はおろし過ぎると腰が弱くなり、足りないと墨が続きません。穂先の1/ 3から半分くらいを目安に、親指と人指し指の腹で毛をもみほぐして下さい。◆使用開始筆の持ち方こふで大筆の持ち方にはいくつかの方法がありますが、右図では一般的な形を示しておきます。肩・腕を大きく楽に構えて、たんこうほうたなごころ掌には余裕をもつことが大切です。そうこうほう小筆は単鉤法(軸を親指、人指し指、中指3本で持つ)と双鉤法(軸を親指、人指し指、中指、薬指4本で持つ)があります。展覧会や冠婚葬祭会場で署名を求められる場合ちんわんほうには、手の甲や手首を枕のようにしてもう一方の手首を乗せて書く方法、「枕腕法」を覚えておくと便利です。◆使用後ほごし大筆は、墨の付いている部分を念入りに水洗いし、反古紙やティッシュで水気を拭き取って下さい。十分な水がない学校やカルチャーセンターなどでは、反古紙などに水を含ませできるだけ拭って、自宅できれいに洗って下さい。特に根元に墨が残ると、穂先きの割れ、抜け毛、切れ毛など穂先が弱体化します。そして、陽の当たらない風通しのよい場所に穂先を下向きにして乾かします。小筆は水洗いは墨を含んだ部分だけ濡らす程度にとどめ、反古紙・ティッシュ・スポンジなどで拭き取って下さい。◆次回使用時大筆も小筆も、固まった穂先部分を水・ぬるま湯・墨でぬらして、自然に柔らかくなるのを待ち、それから使います。歯で噛んだり、指で無理にほぐそうとすると毛が傷みますので、決してしないで下さい。12345◇◇◇使用上の注意◇◇◇◆購入時についている透明なキャップは、使用開始後にははめ直さないで下さい。毛を傷める原因になり、さらに濡れたまま密封すると、根腐れや異臭につながります。ひっかひっとうふでたて筆の保管は、まだ毛が湿った状態では「筆架」、毛が乾燥したものは「筆筒」「筆立」ふでまきをおすすめします。持運びには「筆巻」が便利です。◆毛は天然でアルカリ成分に弱いので石鹸などでは洗わないで下さい。また、リンスの使用は一見毛に良いようですが、墨付きが悪くなりますのでご遠慮下さい。◆毛は虫に喰われることもあります。特に長期保存の場合は防虫剤をご利用下さい。◆液墨使用については注意して下さい。最近は、使用して間もないのに、根元が膨らみ固まり、毛が抜けたり、先が割れたりするクレームが頻繁に寄せられます。これは筆が原因ではなく、ほとんどが合成糊を原料にした液墨を使って、しっかり水洗いしないためです。合成糊は一旦乾燥して固まったものは中々溶けませんので、磨すった墨では考えられないスピードで根元に墨溜まりができます。現在では液墨の種類も多く、いつでもどこでも大量に使える便利なものですが、筆の寿命を短くする要素も含まれておりますので十二分にご注意下さい。双鉤法単鉤法